餡とかわ【バングラディシュのデザート、パティシャプタ】
大福、餃子、肉まん、どら焼き…
どれもこれも「餡とかわ」。甘いしょっぱいどちらでも、餡とかわで出来た食べ物にはなんとも言えない魅力があります。「好きな食べ物は白玉です」、と公言している私は【もちもち】と書いてあったら手に取らずにはいられない無類のもちもちむちむち好き。こちらはキラリときめく「餡とかわ」に出会えたときに、その素敵さをみなさんにおすそわけしていく不定期通信です。
バングラディシュの方とご一緒のホームパーティにお呼ばれした。その中のお一人がデザートに、と作ってきてくださったのが「パティシャプタ」。バングラデシュでよく食べられている伝統的なクレープのようなもの。生地がもっちりしていたので、米粉とかタピオカ粉とか入っているの?と聞いたら、小麦粉だけとのこと。
中に入っているのは白い固めのクリームのような。むちむちした食感で、ココナッツのスライスが入っていた。ベースは牛乳と砂糖とつぶした米で作るそう。
食べたことがあるような、ないような…と考えながらもぐもぐしていたら、あっというまに2本も食べていた。
確か、小さい頃は、「ぎゅうにゅうもちもち」と呼んでいた。牛乳と片栗粉、砂糖をお鍋に入れて火にかけながらよく混ぜる。最初はこれで固まるの?という粘度だったのが、急にわらび餅のような食感になるんだ。母がときどきおやつに作ってくれた。焦がしてしまうと部屋中になんとも言えない、「香ばしい牛乳」の香りが広がる。目分量で入れる砂糖、甘さはいつもまちまちだった。
バングラデシュの方はイスラム教徒で、ヒジャブをつけていた。真っ黒い布で、目だけが見えて、「人前で食事はできないからテーブルではなく、別室でいただきます」と旦那さんが代わりに伝えてくれた。もう1人の女性はオレンジ色の布で、顔は見える。どちらが正解、というわけではなく、本人の自由なのだそう。
お二人とも未就学児を子育て中。「うちの子はシャイなんだ」とか「子どもたちは仲良くなるのが早いね」とか「食べものの好き嫌い、困るわ」とか、子育て中あるあるの話をするとき、ヒジャブの間からみえる目と会話する。笑っているし、苦笑いしているのがわかる(ような気がする)
子どもたちが、パティシャプタを頬張る。これがこの子達のおうちの味なんだな。
ぎゅうにゅうもちもちを楽しみにしながら、キッチンに立つ母の背中を眺めていた自分を重ねて。おやつを作ると嬉しそうに食べるうちの子どもたちの顔とも重ねて。
ベンガル語と英語と日本語と、アンパンマンのマーチが流れる部屋の中。ハラルチキン、ビリヤニのスパイスの香り。
世界は広いね、餡とかわ。おやつはやっぱり、餡とかわ。
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