「40代は親と過ごすさいごの10年になるかもしれない」

2歳児の言う「ネコチャン」/魔女の宅急便のオソノさん/仕事を「道具」に置き換えて
菅原茉莉 2026.01.12
誰でも

📝 午前中は大ヶ生へ。かご編みについてのお話を聞く。生活や暮らし、子どもの立場でみた景色、怖かった、嬉しかった、という感情、言葉にしているうちに変わっていく表情。ストーブのかおり、外は1月らしからぬ雨。午後は実家へ。弟家族と合流。弟と高一息子が会うたびにやってる背比べで弟が敗北。みんなが居間にいるときに地震。2歳児の言う「ネコチャン」に悶絶、していたら7歳児が拗ねてこれまた悶絶。帰りに肉のさんたで焼き鳥と、コロッケ、豚肉をかって帰宅。とても眠い日。

うつくしいね、カゴをみていると、作っているときの姿も見えるよう。

うつくしいね、カゴをみていると、作っているときの姿も見えるよう。

【動かす】

久しぶりに実家に行った。当たり前といえば当たり前だけど、私が知らないことを弟や両親が覚えていたり、私が覚えていることをみんなが忘れていたり。外部記憶メディアからの情報のようだなと思うことがあって、記憶は自分だけのものではないのだなと頼もしい気持ちと、ちょっと切ないような気持ちになる。機械だったらいつでも取り出せるけど、人からはそうはいかない、スイッチもないから、突然驚いたりもする。

40代について書かれた何かの文章に「40代は親と過ごすさいごの10年になるかもしれない」とあった。周りの同世代をみると、親が亡くなっている人もいるし、介護をしている人もいる。たしかにそうかもしれない。この10年、私が聞いておきたいこと、一緒にやりたいことはなんだろう、親がやって欲しいこと、したい話ってなんだろう。

【整える】 

肉のさんた、というお肉屋さんが好きだ。実家に行くと帰りに必ず寄る。お店の店員の女性が、魔女の宅急便のオソノさんみたいに快活で、お肉の話をいろいろ聞かせてくれる。その女性以外の店員さんも元気があって、行くたびに「今日さんたにきてよかった〜」と思う。お肉ももちろん美味しい。

今日は焼き鳥を買って車内で食べながら帰宅したのだけど、130円の焼き鳥がこんなに美味しいというのは、ここに暮らしていてよかったなあと思う理由に十分なるなあと思った。ひづめゆのサウナがある。好きな喫茶店がある。川沿いのランコースがある。お気に入りのパン屋さんがある。いつか買いたいテーブルがある家具屋さんがある。

【味わう】 

「ぶたすき」を初めて作った。豚肉が平たく大きく切られていて、たしかにすき焼きぽい。牛肉と違うのは、ちょっと生でもいいよねというのができないこと。あと脂身がこてっとして固まっているので、ちょっとそこだけ食べにくかったかなあ。でも美味しかった。「すき焼き食べてるとき、おれたちいつもギスギスしてない?」と中二娘が言って、「たしかに、前もそうだったかも」と高一息子が答える。

このときはエナジードリンクを息子が急に肯定しだして、私と娘が「命の前借りだからやめとけ」って言ってて。

「そんなことないよ、ギスギスしてないでしょ」と私が言ったら、2人からほら、「その言葉がもうギスギスしてる」と言われながら笑う。

***

このあとは、今月のテーマ【整える】をもう少しほりさげてみるエッセイ。今日は「道具について」。下のボタンからご登録いただくと、レターの全文が読めます、メールアドレスに届くようにもなります。なにとぞ。

【整える】

「道具について」

昨年買ってよかった道具。まずは、マーナのバターケース。前は野田琺瑯のホーロー容器を使っていて、バターを買ってきたら包丁で切ってから入れていた。その包丁で切って、というのが少し嫌だった。手がべとべとして。マーナのバターケースはプラスチックのカッター?みたいなのがついていて、食べる都度切る。これがすごくよい。

あとは包丁とまな板。そんなに高級なものではないけど、10年ぶりくらいに新調したら、切れ味に驚く。何を切るにも楽しくて、キッチンに立つ時間が増えた。

今日インタビューした大ヶ生のカゴ。これも道具。生活に必要なものを、必要な大きさで作る、近くにある材料で。うん、すごくシンプル。よくみると、竹の使い方や色、随所に試行錯誤のあとがあって、その先に「私がつくる道具はこれだ」っていうひとつの解が見えるようで。

道具を作る、というのは憧れるな、と考えて、ふと「インタビューって道具かな」と思う。インタビューに限らず、仕事を「道具」に置き換えて考えてみるのは面白そう。

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